カナダは今、小麦が大不作なのだ。
これを何とかしないと、日本でのパンの値段が高騰する。
消費税の8%なんて高が知れている。
原料の高騰は防がなければならない。
なぜだか、そんな使命感を帯びて、ボクはマサチューセッツ工科大学の飛行機で(多分、スピードから推察してセスナ機だろう)上空より視察しているのだ。
広大な農地である。
山が一つもない陸地の水平線を初めて見た。
彼方の水平線が曲線になっている。
地球は丸いことを実感する。
眼下の畑一面が真っ赤になっている。
素晴らしい美術作品を見ているようだ。
よく見ると、その色は紅葉の色らしい。
現地の研究者が、これは小麦が枯れているのだと言う。
恐ろしい眺めである。
しかし、ボクには黄金の麦穂が、たわわに実っているようにしか見えないのであった。
それを考えているうちに目が覚めた。
(現地の研究者がネイティブな英語をしゃべっていたのが、不思議だなぁ。ボクはそれほどしゃべれないのに・・・)