広々とした初夏の大草原。
彼方にロッキー山脈の連山が見える。
全裸の男がいる。
40代くらいであり、マッチョで筋肉が美しい。
肌の色は浅黒く、ヘアーは短髪である。
その男がハーモニカを吹いている。
イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」
その男の傍らに、もう一人、これも全裸のマッチョな男が近づいてきた。
やはりハーモニカを吹いている。
同じ曲目だ。
「ホテル・カリフォルニア」の美しいハーモニー。
二人の男はぴたりと寄り添い、裸の逞しい背中をボクに見せつけている。
すると、二人の男の上半身が、ゆっくりと重なり始めた。
重なると言うより、融合、溶け合っているのだ。
二人は一人になり、そのまま緑の草原にフェードアウトして行った。
「ホテル・カリフォルニア」もスネークアウトしていった。
幻想のハーモニーがボクの魂の中に、木霊のように残っている。
(そして、覚醒。気持ちの良い朝だ)