河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

心がひとつ、道端に落ちていた。それを拾うと・・・

深夜の街を独りで歩いている。

ビル街…マンハッタンのウォールストリートのようだ。

ぼんやりと灯る街灯の明かりが黄ばんでいる。

微かに霧も出ているようだ。

道に何かが落ちている。

しゃがみ込んで見つめると、なにか心臓のようなものだ。

かすかに鳴動しているのだった。

「こんばんは」

突然、その心臓がボクに話しかけて来た。

「やぁ、こんばんは」

ボクも挨拶を返した。

「寂しかったな」

心臓がつぶやく。

ボクはその心臓をそっと、手でつかみ上げた。

柔らかくて、温かくて、淡いピンク色だった。

「一緒に来るかい」

ボクがそう言うと、心臓はうなずくように動いた。

ボクはシンセサイザーの作曲家なのだ。

地下の録音室にいる。

ミュージシャンたちをコンダクトしているのだが、今夜はタクトが上手く振れない。

オレンジのジャケットの内ポケットに、あの心臓がいるからかな、と思う。

「スーツは純白がいいよ」

「自然体でいったらいいよ」

心臓が、可愛い声でボクに喋っているのだった。

(ここまでしか、夢の記憶が無い。あの心臓は誰だったのかな?そしてボクたちは、どうなってゆくのかな?脚本にしてみたい夢だったなぁ。夢っていいなぁ。)