丘の中腹にあるポンペイレッドの別荘にいる。
イタリアのサルディーニア島だ。
別荘から眼下の地中海を見ると、猛烈な風が吹いている。
ウサギが飛ぶどころか、象やカバが飛んでるような波がしらだ。
50ノット以上はあるだろう。
大きな木が根こそぎ空を舞っている。
木々の枝は、万華鏡の模様のように乱れ吹き飛んでいる。
この風はスイスアルプスからの吹き下ろしだと言う。
日本では経験したことのない、ダウンブローの重たい風である。
トスカーナに住む、フェイスブックの友人が毎日毎日フェレンツェの生活は最高だと投稿しているが、嘘つきめ!
ボクたちはフランス領コルシカ島までのヨットレースにエントリーしているのだが、
あまりにも風が強すぎて、コスタ・エメラルダのハーバーから出航出来ないのだった。
別荘のダイニングロビーで飯を食う。
鶏肉・豚肉だの脂っこいものばかり、これが一週間も続いている。
ヨットのクルー全員がイタリアンデブを覚悟で飯を食っているのだ。
飯が終わると、隣の部屋は、なぜだか大広間の和室。
何もない。
みんなゴロゴロ寝ている。
クルーの本間さんと、大風呂を探そうと歩きまわっている。
シャワーばかりで風呂がない。
そこで、二人で相談して庭のプールを風呂に改造することにした。
(残念ながら、地中海を見下ろす露天風呂に入る前に、覚醒してしまったようだ。サルディーニア島にはヨットレース参戦で2回行ったが、夢でも旅行が出来るとはね)