河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

母ちゃんのシチューを食べた?美味しかったかなぁ!

里山の村落。

菜の花が咲きみだれ、ホトトギスが鳴いている。

何処かで見た風景であるが、ボクの故郷ではない。

小高い土手を登ると川が流れている。

かなりの急流だ。

多分、大人だと思うが、三人の男が、一本のロープに掴り流れに身を任せて遊んでいる。

まるで岩場のロープに三人でぶら下がるように、急流の中で、そのスリルを楽しんでいるようだ。

「茂!茂!」

ボクを呼ぶ声がする。

母ちゃんだ。

着物の上に、割烹着をまとって鍋を持った50歳位の母ちゃんだ。

相変わらず、小柄で優しい眼差しと頬笑みで、ボクを見てくれている。

両手で持った鍋をボクに分からせようと。

突然、母ちゃんとボクの居る場所が、どこかで見た所…小さい頃に住んでいた横浜の伊勢佐木町の家の台所だ。

60年以上経っても、忘れることのない、この匂い…

母ちゃんのシチューの匂いだ。

やったぁー!すげー!シチューだぁ!ごっそうだぁ!

ボクの母ちゃんのシチューは、ジャガイモと人参と小さな牛肉が入っている。

白いスープは、和光堂の粉ミルクだけど甘くて美味しい。

ボクの家は商人なので、母ちゃんも店に出るから、滅多に料理を作らないし、得意でもない。

ボクの家は、何かの記念日などに、このシチューが食べられるんだ。

母ちゃん!今日は何の日だっけ?

あれっ?

なんの日だっけ?

(余計なこと考えるから、シチュー食べる前に覚醒してしまったよ。今のボクより、はるかに年下の母、でも、ボクの母ちゃんなのだ。ボクの母の味は、このシチューだけだ。戦後、間もなくのこの頃は、このシチューは大変な御馳走だった。今度、母ちゃんが夢に出てきたら、絶対にシチューを食うぞ!)