バスの旅らしい。
日光のいろは坂あたりだろうか、箱根あたりだろうか、曲がりくねった坂道を上っている。
乗っているのは以前、所属していたテレビ制作会社のスタッフたちだ。
ボクはあまり楽しくない。
何故だかは分からないけれど、そう感じている。
ボクはバスの一番うしろの席に座っている。
マイクを回して皆が歌を唄っているが、それが煩わしくて、ボクは眠った振りをしているうちに眠ったようだ。
バスは街の中の、大きな駐車場に入っている。
ここは、どうやらバス会社の駐車場で、これからバスの掃除をするから降りてくれと言うのだ。
仕方がないから、会社の方向に皆で歩く。
所属している久米 宏やイチローもいる。
信号機のある交差点で、ボクは携帯電話とシステム手帳を忘れた事に気付いた。
スタッフの本永君を連れて、バスに戻ることにした。
その前に、電話しておこうと思い、公衆電話ボックスに入る。
本永君にバス会社の電話番号を聞く。
彼はこう言った。
「ヒトミトモ・セモジワ」
分からないので、もう一度聞きた。
「ヒトミトモ・セモジワ」
こりゃ覚えきれない。
ボクは頭の中で懸命に反芻した。
ヒトミトモ・セモジワ
ヒトミトモ・セモジワ
ヒトミトモ・セモジワ
・・・・・・・・・・
ここで夢の中で夢と気付き、更に夢と気付いて覚醒した。
(ボクが所属していたオフィス・トゥ・ワンの旅行のようだ。確かにイチロー選手が所属していたこともある。その時彼から貰ったバットは今でも持っているなぁ。布団を干すときに、それで叩いたりしているけれど(笑))