六本木4丁目の横断歩道。
信号が青になって、ボクが渡りかかると突然、ボクは車を運転している。
左ハンドル、シートのスペースや計器類のレイアウトから見ると、この車はマーキュリークーガーだ。
六本木交差点への少しの登り坂。
左側を走る軽トラックが、ボクのほうに幅寄せしてくるので、運転席の窓を開けて文句を言う。
その時、助手席に連れがいないのに気が付く。
確か男だったが、誰だかは不明。
もしかしたら土屋君…
後で携帯で探せばいいやと思い、車を停める。助手席側の窓に俳優座が見える。
ボクはコカコーラが飲みたくなったのだ。
自動販売機がある。
この販売機のコカコーラは、ビンで出てくる。
コカコーラは、あの女性の身体のようなデザインのビンでなきゃ美味くはない。
その自動販売機の前に三人の外国人の男たちがいた。
こいつらの動作が遅い。
三人目はコインが足りなくて出て来ない。
それを機械のせいにして、脚で機械を蹴飛ばしている。
この不良外人め!
「テメーラ イイカゲンニシロ」
ボクは日本語で叫んだ。
男たちが、すまなそうな顔を造った。
ボクは不足のコインを出してやろうと、ポケットを探って・・・
出て来たのは、鍵の束だった。
色々な鍵が20個ほどついている。
そのカギを、自動販売機にひとつひとつはめてみるが、なかなか合う鍵が無い。
外国人の男たちは、面白そうに見ている。
その時、ひとりの男が言った。
「そのカギは、どの女性の部屋なの?」
その瞬間、ボクは飛び起きた。
この夢は、前に見たストーリーと、同じだ!
(ボクは夢か現かの、淡い霧のような朝の境目の中で、この夢を反芻してみた。確かに何から何まで、前に見た夢ではないかと確信した。
夢のデジャブ・・・夢の面白さ、深さに益々眠る時間が楽しみになってきた。)