窓からの景色は横浜港である。
見回すと、みなとみらいの大観覧車から、大桟橋にはクイーンエリザベスのような大きな客船が横着けされている。
大黒ふ頭の右手には、ベイブリッジ、本牧ふ頭から手前には山下公園とマリンタワー。
すると、ボクの居るところは氷川丸の船上だ。
なぜ、こんなところに…ボクはトイレを探していたのだ。
山下公園には、大きな公衆トイレがあるが、生憎の掃除中。
で、氷川丸の甲板へロープでよじ登ってきた。
デッキを走りまわってトイレを探すも、女性用ならあるが男性用が見つからない。
たまに見つけると、ドアーが矢鱈にあって、開けても開けてもドアーがあるのだ。
やっと、入れそうなトイレを見つけた。
が、そこはなんと、おばさん達であふれた満員御礼の特売場状態。
やや、あきらめかけたが便意は待っちゃくれない。
道路の反対側のホテルに入る。
ボーイさんに聞くも知らないと言う。
レストランのウエイトレスさんに聞くと、山下公園が良いと言う。
ボクのスタッフである篠原さんも、公園トイレが最高だと言うので、早速、山下公園の芝生の辺りに行った。
ここは、芝生の広場がすべて野外トイレである。
男女の区別も、囲いもドアーもない、ついでに便器もない、どこでもトイレなのだ。
すべてが丸見えである。
ボクは、遠慮がちにアベックの隣にしゃがんだ。
ボクの目の前のおじさんも、その前のOLさんもしゃがんでいる。
座った人を縫うように歩行者が歩いている。
東洋の観光客なのか、訳のわからない言語で何か言っている。
ボクは、意を決して尻に力を入れた。
快感がやってきた 。
その時、飛び起きた。
危なかった。
危機一発でセーフ。
(人にリサーチしても、尿意や便意の夢を見る確率はとても多いのが面白い。
つまり、着飾ってお澄まし顔のセレブ夫人も、そんな夢を見ているのかと想像すると楽しい。しかし、横浜港のアングルカットは見事に再現されていたなぁ)