まさ君と旅をしている。
いや、旅を続ける放浪の音楽家・奥野勝利さん(まさ君)に便乗したのだ。
まさ君はボクの書いた「妖怪ベンリー」に作曲してくれた。
この歌のキャンペーンで、赤々とネオンが灯り、車が激しく行き交う街に来た。
そんな街角の路上で、まさ君がシンセで唄い、ボクがトークするのだ。
「集団的自衛権の閣議決定はボクも反対です」
「でも、この問題に是非を問うのは勝者の論理です」
「なぜ、戦争をするのか」
「その元は、電気、ガソリン、食料・・・それの奪い合いです」
「いつも先進国と言う名の勝者が、貧しい国々に仕掛けているのです」
「先進国の人間たちが、戦争反対と叫ぶ声に、ボクは虚しさを感じます。」
「今、地球上で25億人以上の人々が、トイレのない、つまり便器を持たない生活をしているんです。」
「マスコミを含めて、皆さんはなぜ、すぐ物事の是非を問うのですか?」
「当事者になりましょうよ」
まさ君のシンセサイザーが大きな歓声と拍手を作った。
ボクたちの前に観衆は独りも居なかった。
まさ君がなぜだか、にっこり笑ってウインクした。
(ボクとまさ君が作った歌、「妖怪ベンリー」は原子力や原油で作られた便利な世の中は、妖怪ベンリーの悪魔の仕業だと言う歌です。国の最高機関の立法・行政の人々や、マスコミ人たちが、虚しい議案に右往左往している姿が切なく思うのはボクだけではありませんよね。)