河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

下手な役者は手を見りゃ分かる・・・

なんだか会議室の机を取っ払ったような空間だ。

ピアノがあって、横森良三さんがいるから「スター誕生」の予選会だな。

ボクがその進行役なのだ。

今回は8千名も応募が来てるので、ひとりの審査時間は15秒と決めた。

横森さんもイントロなしの、メロディから入るが、ひとり4小節しかない。

これでガンガン進めて行くのだが、審査員のプロデューサーもディレクターも聞いちゃいない。

そう、こんな場合は歌など聞いても分からない。

音程や節回しなど、審査に関係ない。

ポイントは顔とスタイル・・・

そこにタレント性やらスター性を見つけるのが仕事なのだ。

今日は15名を選び出す予定だから、結構忙しい。

応募した出場者は、牧場の牛のように並んで行進している。

審査員の前を通った時が勝負なのだ。

ボクも審査員なのだが、ボクの選ぶポイントは手の置き場だ。

歌手も役者もそうだけれど、演技力は手の置き場で決まる。

今日は不作だ。

出場者の中には、若者だけではなく、老人たちも沢山いる。

そんな時代なんだなぁと、独り感慨にふけっている。

ところで、ボクたちはオーディションで選んで何をするんだっけ?

どうにも思い出せない。

スタタンは終わっちゃったし…あれっ?弱ったな。

審査はまだ、楽しそうに続いている。

ボクは、壁際を伝って、ドアーからそっと逃げ出した。

「どうしようかな・・・」

いつもの口癖で目が覚めた。

(数10年も前のスター誕生の予選会だ。実際には1日の審査に800人位来た。横森さんはアコーディオンではなく、ピアノだった。審査時間はひとり20秒程度。だからボクは出場者の手のやり場だけ見ていた。ドラマでもトークでも、駄目な奴は手の演技がへたくそだよ。見ててごらんなさい、面白いから・・・)