テーブルの拭き方を考えていた。
テーブル上の濡れて汚れた部分だけを拭くのは、おもてなしレベルの低い人。
拭くときは、全面を拭く。
更に拭いて汚れた面を内側に折り返して、座っている人の前をさっと、もうひと拭き。
これが、おもてなしの心・・・
日本人の魂・・・
出来る奴はここが違う・・・
なんて、考えて歩いていたら、滑って転んでしまった。
テーブルの上だけじゃなく、道も濡れていたのだった。
ボクは、濡れた街角で、したたかに左の膝を強打してしまった。
ジンジン膝が痛い。
その時である。
ボクはボクの実存に気が付いた。
生きているボクが、確かにここにいる。
ボクはボクなのだ。
街角を歩いている、大勢の中の無個性なひとりではない。
ボクは左膝の痛みから、自分の肉体の存在を意識出来た。
この感覚は、全く健康体なボクのような奴にしか分からないかも知れないな。
健康な人間は、自分を忘れている。
日常の意識の中で、自分の存在感がない。
他人の存在感は、充分に意識しているのに・・だ。
自分を客観視出来ていないのだ。
そうか・・・
実存とは・・・、自分の身体の痛い部分、不具合な悩みの部分を通して、感じる事なんだ。
よし今日は、これからボクと言う人間について、徹底的に考えてみよう。
街角で、滑って転んで怪我をして良かったなぁ。
(ここで、目が覚めた。なんだか複雑な夢だったので、起きてメモを採って眠り直した。今、こうしてパソコンに向かっているが、本当に左膝が痛い・・・寝相が悪いボクだから、何処かにぶつけたらしい(笑))