灼熱の太陽に染まった浜辺も、夜には海水に冷やされて気持ちが良い。
だから、女も男も浜辺に出てくる。
夜風が日に焼けた身体に纏わりついてくる。
ボクの大好きなひとときなのだ。
そこに、ひと際目立つ女がいる。
なんだか、何処かで見たことがあると思ったら、おいおい、チャン・ツィイだよ。
なに?
ここのシーンはプロモーションビデオの中?
ボクは何の役?
演出家?
いや、演出はチャン・イーモウ監督がいるし・・・。
ボクは、ただの通りすがり?
異邦人?
しかし、イーモウ監督さん、ちょっと彼女のアップが多すぎるよ。
惚れちゃってるの?
顔に結構なシミがあるじゃん。
横顔のアップ・ショットが多すぎるよ。
おまけに素ッピンだし・・・。
衣装も最悪だ。
チャン・ツィイの長くて美しい脚が隠れちゃってるよ。
イーモウ監督さん、この演出は駄目だなぁ。
あんたはタランティーノかい?と言いたくなるほど、カットが不器用だよ。
あんたの国の言葉で言えば、支離滅裂、荒唐無稽。
子供だましの恋愛映画を、ボクの海で撮影しないでおくれ。
チャン・ツィイが、物憂げな瞳でボクを見ている。
そして、長い舌を出して、アカンベーだと・・・。
日中問題は、なかなか難しいもんだなぁ。
(夜中に暑くて目が覚めた。夢のシーンはボクの故郷、鵠沼海岸だったけれど、なんでチャン・ツィイ?なんでチャン・イーモウ監督?・・・そう言えば「LOVERS」って映画あったなぁ。とんでもなくつまらなくて、印象に残っている。)