河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

昔は良かった・・・ノスタル爺ィ症候群

サウナルーム

ここは多分、六本木のTCKCCCのサウナだろう。

ボクには分かる。

なぜならば、裸でサウナに入っている客の半数は身体に彫り物があるのだ。

この街は、昔から渡世人が多い。

数組が縄張りで入り乱れている。

サウナの入り口には、刺青お断りと書いてあるが、あまり関係ないようだ。

ある時など、10人ほどのサウナ客の中で、刺青がないのはボクひとりだったこともある。

ボクは彫り物に偏見はないので、別に意に解さない。

ボクは渡世人のおっさんたちに退けを取らぬよう、強そうに腕組みなどして目を閉じ、汗をかいていた。

「最近はおいらんせんのー」

「ああ、昔はよかったのー」

「若けー衆もよう、ついてこんし」

「みかじめも入らんし」

「おなごもつえーし」

「なんだかんだ金もかかるし」

「昔はよかったのー」

「ああ、昔はよがった」

黙って聞いていると、こんな内容をくどくどやっているのだ。

そりゃ暴対法も出来ちゃって、渡世人には住み辛い世の中だろうね。

ここで、何でも黙っていられないボクが声をあげた。

「黙って聞いてりゃお兄さん方、昔は良かった、昔は良かったって、そりゃ違うんじゃねーですかい」

「昔なんかちっとも良くはねー」

「どこをみても貧乏人だらけだし」

「知ってることは、てめーの住んでる町だけだし」

「今の方が、良いに決まってまさー」

「便利で、女は綺麗で、言いたいことが言える」

「昔の回顧をノスタルジーなんて美化してるが、とんでもねー」

「そう言う奴は、ノスタルジジィってんだ」

ボクはいっ気にまくし立てて、ふと気が付いた。

ノスタルジジィ・・・ノスタル爺ィ・・・

こりゃいい、使えるぞ・・・

おい、寝てる場合じゃない。

起きろ。

メモを採れ。

ボクは物書きの本能で、飛び起きたのだった。

(ノスタル爺ィ・・・。こりゃ面白い。使えるね。よし、Youtubeの映像制作のテーマにしよう。「ノスタル爺ィが行く」高齢化社会だからか、「昔は良かった」と言うフレーズをしばしば聞く。昔は良いことばかりじゃなかったよ。ただ、歳とると嫌なことは忘れちゃってるんだね。人間の身体はそう出来ているのだ。どんな時代だって良いこと、悪いことは半分半分。ボクはそう思っている)