河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

故郷の砂山で、なつかしい男に出会った。

南の風に頭を押さえつけられて、小さくなった波がしらが立つ浜辺。

松の砂防林の先にある、浜木綿に囲まれたボクの砂山。

何か、思考を巡らせて魂の遊行を楽しみたい時に、やってくるボクの隠れ家。

夜明けだ。

左手の東浜の空が金色に染まっている。

江の島はまだシルエットだ。

ふと、気が付くと、隣の砂山に男がひとり佇んでいる。

細身の長身、あごひげ、鋭いが優しいまなざし・・・。

ウサーマ・ビン・ラーディン

アルカイーダの指導者。

サウジアラビア生れの彼は、民族を愛し、家族を愛していた。

でも、他民族、他宗教国家からはテロリストと呼ばれていた。

NY貿易センタービル爆破の首謀者とされ、十年後に暗殺された。

「テロリストって、なんだろう?」

ボクは隣の砂山の男に聞いた。

「無意味な戦いの、片一方のことさ」

「じゃ、今、ガザ地区を無差別攻撃しているイスラエルは?」

「まだ、国際間ではイスラエルがかろうじて正義らしいいね」

「ガザの難民たちがテロリストかい?」

「正義と不正義。善と悪。南と北。体制と反体制、右派と左派、人間は常に二手に分かれて、レッテルを張られるのさ」

「70年前の戦争でも、日本人はテロリスト扱いだったんだろうね」

「そりゃそうだよ、さて、チェ・ゲバラと酒でも飲むかな」

世界で最も危険な男と言われたビン・ラーディンは小さく笑いながら砂の中に潜りこんで行った。

人はなぜ、してはいけないことをしてしまうのか。

人間はもう、二千年以上も、この繰り返しで歴史の上塗りをしているだけだ。

すっかり明けた空の上で、ビン・ラーディンとチェ・ゲバラが笑ってらぁ。

(寝酒代わりに頂いた「仕事に効く教養としての世界史」と言う本を読んだせいか、

なんとも面白い夢だった。でも成熟度のあがった、この社会は益々、現実を虚構化したり、日常を演劇化して人類の生命を維持するしかないのだろうか?と、ふと思う)