ボクの眼はなんだろう。
景色が超広角な鳥瞰で見えていたのだが、突然・・・
凄い勢いでズームアップして、小さなアブラムシの中に分け入る。
ボクはいったい誰なのだろう。
カメラが勝手に客観視して、ボクの全体像を見せる。
そこには蝉の抜け殻がいた。
柔らかな羽二重にしがみついている。
ボクは蝉の抜け殻のなかにいる。
いや、その抜け殻を操縦している。
まるでガンダムのようじゃないか・・・
ボクには、そこが何処なのか分かる。
羽二重の衣装の内側から、甘いエロスの香りがするから・・・
ボクはエロスの解放軍である。
この社会は性が氾濫しているが・・・。
決して、性が解放されたのではない。
夜の街のけだるい人々は、太宰の堕落とは違う。
さりとて、檀一雄の人間復活とも違う。
単なる穢れでしかない。
戯れでしかない。
今こそ、エロスの解放をしなければ。
そして、身を焦がす堕落に身を包む時なのだ。
人間、復活の為に・・・
蝉の抜け殻のボクは、そう呟いて、はたと考え込む。
その為には、まず何をしようかな・・・
うーん、何を・・・
考えてる内に眠りが薄くなって、あとは朧・・・
(昨夜、10年前に買って、読んでいなかった中公新書の「タイトルの魔力」を読みながら寝た。エロティックな絵画にタイトルが必要なのか・・・そんなくだりがあったが、この夢は、その影響かも知れないなぁ。何でボクが蝉の抜け殻に・・・本人も理解できませーん(笑))