ベランダに人の気配・・・
男が立っているようだ。
眼をこすって凝視・・・
輪郭がはっきりすると、それは・・・
笑ウせぇるすまんの喪黒福造のような不気味さを持った男だ。
彼が無表情で言う。
「携帯電話は何をお使いですか?」
「ドコモのスマホだけど・・・」
「ノキアにしませんか」
「君は誰だ?」
「私はノマドワーカーです」
「いくら遊牧民だからって、人のベランダに黙って来るなよ」
「すいません、ユビキタスな人間なもので・・」
「いつでも、どこでも、誰とでも・・・か?」
「ええ、ユビキタスなもので・・・」
「それで、何処から来たんだい?」
「あちらから・・・」
その男は空を指差した。
男が指差す先に、大きな雲がポッカリ浮かんでいた。
「クラウド・・・」
男に視線を戻すと、彼の姿は消えていた。
クラウドからのノマド型ユビキタス・セールスマンか・・・
面白い時代になったなぁと嬉しくなった。
(笑ウせぇるすまんは、何の目的でボクの所に来たのだろう。きっと、新しいもの好きのボクに、何かを伝えたかったのだろう。大丈夫だよ。ボクはこのWebの時代が楽しくて仕方がない。今年の後半も激走するぞ!)