河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

見たいと思うものが見える、メガネを拾ったけど・・・

樹の実が色づき始めた。

木々の葉が微妙なグラデェーションに染まっている。

秋の色を感じながら、お気に入りの小道を散策している。

去年の落ち葉が積もって、ふかふかの絨毯の道にキラリと光るもの・・・

それは、メガネだった。

ボクは、それを着けた。

周りの景色が一変した。

陰影がはっきりして、ジュリー・ルブランの絵画を見ているようだ。

そこには色がなく、モノクロの世界があった。

ボクは思わず瞼を閉じた。

眼を開けると、そこには嵐の海が見えた。

海面は激しく波立ち、雲は矢のように流れている。

メガネからは、二つの景色が見えて来た。

左のレンズは臆病

右のレンズは勇気

人間と言う動物の持つ根源的な二つの属性が見えるのだ。

左のレンズには、風から逃げる船が遂には沈没していった。

右のレンズには、風上に船首を20度の角度で向ける船が見える。

荒れ狂う風上に船首を向けるのは、勇気がいるが、これこそ船首支えと言う技術だ。

これは海のカモメから学んだ勇気なのだ。

洋上に住むカモメたちは、荒れ狂う海面に風上20度の角度で浮かび、命をつなぐ。

ボクは再び、瞼を閉じた。

そして開けると、恋をする人間の姿が見えた。

相手の心が欲しくてもがき苦しみ、自分自身が分からなくなり、知らない自分が見えてくるのだ。

恋は自分自身との葛藤。

知らない自分が見えてくるメガネ・・・

ボクは、深呼吸をしてもう一度、瞼を閉じた・・・

だが、そのまま眼が覚めてしまった。

(不思議なメガネだった。最初、世の中がモノクロの世界になった時には驚いた。

このまま、暗黒の世界になり失明するのだろうと覚悟した。この世の、様々な素敵な色のモノを心に記憶しようと思ったほどだった。でも、この不思議なメガネは眼をとじてシャターすると、世界ががらっと変わるのだった。またいつに日か、このメガネを拾ってみたいな。)