弓のように綺麗な曲線を描く砂浜・・・
鵠沼の海に来ている。
江の島の辺りから、または反対側の茅ヶ崎の辺りから見ると、本当に美しい。
気絶したい程に美しい女性のボディラインのようだ。
ボクの大好きな浜木綿の砂山・・・
そこに大の字に寝転がって、蒼天を見つめている。
夏から書き始めた小説を、何とか書き終えたが、面白くない。
決定的な何かが足りないように思う。
自分が面白くないものを、人に読んでもらおうとは思わない。
何が足りないのだろう・・・
こうして書いた小説が、もう5作品貯まっている。
どうにも、誰にも読ませる気にならないのだ。
読者から金を取る小説には原則があると、出版社の編集人がよく言う。
コンセプトが明確で、タイトルにパンチがあり・・・
コロガリにはサスペンスがほしい。
更にカセとして運命に翻弄される主人公・・・
人として守るべきもののオタカラが潜っていて・・・
主人公のカタキ役が居てほしい・・・。
言葉は違えど、だいたいこんなことを言うのだ。
ばかばかしい・・・
だから、ニッポンの文芸は駄目になったのだ。
こんなマニュアルで良いなら、人間が書くことはない。
もはや、パソコンで創れる時代だ。
ロボットにも面白い作品が書ける近未来がすぐそこだ。
ヒューマノイドロボットは、まもなく誕生する。
出版社も編集人もいらなくなる。
SNSが、全てを凌駕するだろう。
だからこそ、物書きは独創的な感性や感覚が必要なのだ。
ヒューマノイドロボットに負けない感性だ。
じゃ、ボクの作品に独創性はあるか・・・
それを、考えていたら、やっぱり書き直すことにしようと思う。
消去ボタンを押せばいいのだから。
ボクは、大空に人差し指を突き上げて、ボタンをポチっと押した。
(実に現実に即した夢だった。そうなんだよね。日本の文芸人はマニュアルに拘りすぎる。まるでコンビニやファーストフードの店員さんと同じだ。編集者に個性も感性もないのだから、良い作家なんか誕生する訳ない。まぁ、テレビ界も歌の世界も同じだけれどね)