大地が、永遠に立ちつくしているかのようだ。
なにものも寄せつけない、木々の屹立。
風に抗う、名もなき草花たち。
ここは何処だろう・・・
前から知っていたような、初めて来たような不思議な空間。
太い蔦がからまる林の中に、少年と少女が・・・
少女は、これから一年の間、隔離された薄暗い小屋にこもる。
自分を見つめ、自己とのみ向き合う。
少年は、けばけばしいバラ色の毒を飲み、苦しみ、のたうち回る。
自分と死との対話の中で、生きる意味を探すのだ。
これが、大人になる為の通過儀礼。
少女と少年は、うらやましくなるほどの孤独の中で、生きる意味を見つける。
ボクもそうやって、大人になったのだ。
あの毒を呑みこむ時の、一瞬のためらい・・・
精神の集中の刹那に、何かが変わった・・・
自ら破滅を覚悟した勇気を、握りしめた指先に感じた。
富と名声に背を向けて、ひたすら破滅への坂道を駆け降りた。
その時、ボクに野獣の微笑が宿った。
そして、ボクは大人になった。
「どんな人間も、100年の内には、ひとり残らず灰になる。
あまり大きな顔はなさりますな・・・ハッ・ハッ・ハ・ハ・ハ・・・」
なんと、自分の笑い声で眼が覚めたのだった。ハッ・ハッ・ハッ(笑)
(今朝の夢を思い出しながら、ボクは深層で何を想っていたのかなぁと考えている。
本人も良く分からない。ボクは誰? あそこは何処? このミステリーツアーのような夢の世界が最高だな。寝るのが一番の贅沢な楽しみだ。)