夢は、一晩に数本見るものだ。
ただ、最初の夢は次の夢によって消去され、二本目の夢が上書きされる。
でも、また次の夢によって、再び消去される。
消去された夢を、朝になって思い出すことは不可能に近い。
脳のハードディスクの奥に仕舞いこまれるからだ。
しかし、今朝はこの夢の上書き保存に成功したのだ。
最初の夢・・・
海の家のようなヨシズ張りの中で、みんなで幕の内弁当を広げている。
すると、その時である。
「その、ホタテ…美味しそうですね」
と、ボクの弁当を覗きこんで、声をかけて来た人がいた。
振り返ってみると、その人は・・・
なんとなんと、昭和天皇陛下であった。
「差し上げましょうか・・・」
ボクは、ホタテの焼き物を献上しようとした。
「ああ、大丈夫です」
昭和天皇は、手にした折り詰めをボクに見せた。
突然、島倉千代子さんが、ほほ笑みながらボクの前にきた。
「人生いろいろ」の