ローマの大通りを、ボクたちが歩いている。
7人のツアーなのだけれど、いつもメンバーがころころ代わっている。
仕事仲間だったり、ヨット仲間だったり、幼友達だったり・・・
でも、常にボクをいれて7人のツアーなのだ。
道端の、こじゃれたカフェでランチの予定だが、店がやってない。
シエスタとかで、昼休みなのだ。
仕方がないので、ローマの街を見物する。
トレビの泉では、イタリア人がコインをザルに入れて洗っている。
看板に銭洗い弁天の泉と書いてある。
あれっ、ここでは後ろ向きにコインを投げ入れるんじゃなかったのか・・・
スペイン広場は階段だけの広場で、スポーツ選手たちがウサギ飛びの練習をしている。
その時、黒人の美女がボクに近づいてきた。
どこかで見かけた女性だ。
それはスーパーモデルのナオミ・キャンベルだった。
「マクドナルドは何処ですか?」
彼女は流暢な日本語で聞いてきた。
「オーバーゼアー・レフトサイド」
ボクはブロークンな英語で答えた。
誰かが、急がないと帰りの飛行機に間に合わないと叫んだ。
ボクたちは駈け出した。
気が付くと崖っぷちに来てしまった。
まずい、どうしよう・・・
崖っぷちから下を覗くと、急流の渓谷・・・
しかし、そこはハイウエイにもなっているらしく、バスやトラックや電車や・・・
時にはウオークマンや牛乳瓶まで流れてくる。
ボクはタクシーをつかまえることにした。
1メートルほどの青い棒を振り下ろして、タクシーをつかまえている。
この合図はなんだ?
青い棒を振り下ろす合図・・・
これが噂の「缶詰め報知器」だ!
刑務所では毎日行われると、ムショゾクの方から聞いたことがある。
この報知器は、よくタクシーがつかまる。
7人だから2台のタクシーをつかまえて、安堵した。
ボンジョルノ!
カンターレ!
ボラーレ!
ボクは、オオソレミオ♪を唄っている。
(おー!ナオミ・キャンベルちゃん!彼女とはローマのスペイン広場で出会ったことがある。夢で再び会えるとは・・・夢は奇想天外でいいなぁ。刑務所の缶詰め報知器、これを聞いた時はうけたなぁ。))