河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

闇夜に浮かんだ幽霊船・・・美しい・・・。

大海原に月明かりが煌めいている。

静かだ。

都会の喧騒も、生きものたちの声も聞こえない。

ぴたぴたぴた・・・

舷側を小さな波がノックしている。

ボクは30フィートパワーボートのエンジンを止めている。

船は海まかせ、波まかせ、風まかせ・・・

誰もいない海のど真ん中で、こうして大の字になって宇宙を見つめているのが好きだ。

ここにいれば、何もいらない。

煩わしい人間関係もない。

地位も名誉も金も・・・

なんにも欲しいものはない。

その時だった。

数百メートル先の海面を、こちらに向かって来る影がある。

どうやら、大きな船のようではあるが・・・

赤と青の航海灯を点けていない。

フライング・ダッチマン!

幽霊船か!

その船は、音もなくボクに近づいて来る。

その船体は、益々大きく迫り・・・

ボクの横をかすめて行く。

その時、ボクはハッと思った。

シナーラだ。

シーボニア港にいつも停泊している、帆船シナーラだ。

でも、あの大きなマストもブームも取り外されている。

あの優雅な帆船シナーラの美しさは微塵もない。

確かにフライング・ダッチマンだ。

何処へ行くのだろう。

そんな姿で・・・

その時である。

16夜の月が突然、雲間に入った。

一瞬の暗闇・・・

おーっ!

シナーラが、眩い光に染まって浮かび上がった。

夜光虫が一斉にシナーラを、覆い隠したのだ。

纏わりついたと言ってもいい。

美しい・・・

帆船シナーラは、いつものように大きな三本マストを建て、フルセールで暗闇の中を帆走していった。

(先日、FBの友が帆船シナーラが何処かへ曳航されていく姿をアップしていた。

そのマストもブームもないシナーラの痛々しい姿が目に焼き付いていたようだ。

もう一度、最高に美しい帆走しているシナーラに会えた。)