シルバーグレーの空間から声が聞こえてくる。
何か怒りが満ち満ちているつぶやきだ。
天空からのTwitter?
「輸入オーガニック食品の礼賛も良いだろう。しかしなぁ、はるばる飛行機や船で運んでくる時の、環境負荷を考えたことがあるのかい?」
「90年後、日本の人口は6700万人・・・半分になっちまう、電車がすくなぁ」
「女性は法律婚などより、事実婚を欲している。今の両親を見てりゃ、そりゃそうだ」
「自然がまだまだ荒びのままだった頃の地球に住んでみたいぜ」
「女性の新時代だな。女性たちの間に分裂と内戦が起きてる。すげー」
「名文とは、目で観た時に美しく、耳で聞いた時に分かりやすいものだと思う」
「神に近づけば、振り落とされる。距離感だよ距離感・・・」
天空からの、悪魔のつぶやきに似た声が続いている。
ボクは、もう一度シルバーグレーの空間を見つめる。
そこには、もう一人のボクがいた。
(何かに共鳴して聞こえて来た、悪魔の声。ボクが勝手に感じた悪魔であったが・・・。それが自分であることに気がついて納得した。常日頃、ボクが思っていたことばかりだから・・・)