今日も、ボクはボクだと思い込む・・・
なぜなら、本当は毎日、ボクは別人なのだから。
夜明け前のかはたれ時、ドーンパープルに美しく染まった東空を見つめて想う。
ボクはボクだと思い込む・・・
心理学では、自己同一性と言うらしい。
そんな学問的な解釈はどうでもいいや・・・
ボクには、みんなが感じ、良くも悪しくも評価する性格ってやつがある。
自分でも、自分の性格ってやつを、なんとなく分かっている。
だけどそれは…その性格は演じているだけなのだ。
子供の頃から、こんな感じでいいかな?
などと、思考錯誤しながら形成してきたのだ。
社会に出て、それが上手く適合できなければ、仕方なしに変える・・・
そんなことを、随分やって来たつもりだ。
屈辱感もあった。
敗残兵の虚しさもあった。
でも、これが社会と自分に言い聞かせてきた。
だから、皆が感じ、ボクもそう思っているボクの性格は、無理して作っているもので本当のボクではない。
いや、ボクだけじゃない。
誰でも、そうなんじゃないだろうか・・・。
君子豹変・・・
これこそ、ある刹那に本当の性格が現れることなんだ。
誰でも、豹変したくなる刹那がある。
それを、じっと我慢しつつみんな、生きているのだ。
本当の自分を出したら、この社会では、お仕舞いだと分かっているから・・・
この夜が明ければ、今日もみんなで自分の性格を演じる芝居が始まる。
ボクたちの、この社会は劇場なのだから・・・
(夜明け前の夢から覚めて、夜明けの美しい東空を見つめた。そしてボクの想っていることは真実だよなと、ひとりでうなずいている。さぁ今日も名優として演じてこようか・・・この社会と言う劇場は楽しいところだな。)