ここは何処だろう?
新宿駅の西口広場のような雑踏・・・
人々が皆、一本の矢を握りしめて歩いている。
その矢先を向ける相手を探し求めているのだ。
能狂言のような不気味な無表情を装う人々の群れ・・・
突然、多くの、その矢先がひとりの男に向かう。
何千本の矢が男に突き刺さる。
男は炎上して消去された。
ここは、インターネット広場・・・
リアリティの服を纏ったバーチャルリアリティの仮想空間。
ここには様々なメディアを自称するデバイスが存在する。
文字、図形、音声、そして映像・・・
様々なコンテンツが鎬を削っている。
誰もがメディアを標榜している。
とんでもないぜ!
お前さんたちはメディアなんかじゃない。
ハードなマシーンは確かに優れているだろう。
しかし、それを扱う人間たちのレベルが酷すぎる。
メディアには最低限必要なものが幾つかある。
例えば、哲学だ。
倫理観だ。
常識だ。
そして社会性だ。
最低、この四項目のない人間にメディアは扱えない。
近頃はテレビや新聞でさえ、メディアと言うには程遠い。
そして、このインターネット広場を眺めて見る。
哲学、倫理観、常識、社会性・・・
そんなものを持ってる奴等ひとりもいない。
だから、日本のインターネットはまだメディアではない。
インターネットは個人の生活空間に過ぎない。
重苦しいネットの絆で繋がった、生活協同体なのだ。
それは、酒や煙草よりも依存性が高い。
もしかしたら、人間社会はこれで滅びるのかも知れない。
(日本人の人間関係が、バラバラと崩壊しているとしか思えないのは、ボクだけだろうか?先日の終戦記念日、テレビと新聞が義理のようにニュースを伝えていた。
どうであれ、国難に殉じた幾多の英霊たちがいた事は事実・・・。
その感謝を伝えないものは、少なくともメディアではない。
感謝とはそこに、哲学や倫理観や常識や社会性が含まれているものだから・・・)