夢のダイアリーを綴っていると突然、夜中に眼が覚めることがある。
今見た夢をボクの記憶装置に止めおこうとする意識がそうさせるのだろう。
人間は見たり、体験したことを意識の奥に保管する事ができる。
そのイメージを、再び取り出すのが夢なんだ。
と、夢の中で呟いている。
ドアーをノックする音と共に、ブラボーの言葉が飛び込んで来た。
ブラボーは、言の葉であるが、グミのようにも軟体動物のようにも見える。
ブラボーはボクに言った。
「人間は自分から離れて、自分に向き合うことが出来るんだ」
「それって、ジャンポール・サルトルも言ってたよね」
…とボクも言った。
「じゃ、ボーヴォワールは?」
ブラボーがボクに聞いてきた。
「サルトルの女房だね、彼女は旦那には迎合しないから好きだな」
と、ボクが言い
「今こそ女性は自分を取り戻し、安易にアイデンティティを夫に結び付けてはいけないわ」
と、続けた。
「二人は夫婦じゃなくて、パートナーなんだよね」
ブラボーも気の利いたことを言う。
そうだよ、もう男と女が夫婦なんて、一絡げに括られる時代じゃない。
これからはパートナーだ。
パートナーでいいんだ。
これで、男女間の問題が結構解決するんじゃないかな。
(なんだか、そんな夢だった。不意にドアーから飛び込んで来た奴が、ボクの抽斗を開き、そこから言葉やイメージが飛び出してきた。夢って、最初はすっかり忘れているのに、次に少し思い出し、突然、ひょっこり全部を思い出す。今がそうだ。面白いね ♪♬)