ボクの大好きな9月の地元・鵠沼海岸
うっとおしい観光客や海水浴客が居なくなるから…
海には鹿島の潮がゆっくりと右に流れ、海猫がイワシのナブラを追っている
高校生のボクは砂浜に大の字で蒼い空を見つめている。
いつものように、目の前を真っ黒な軍用ジェット機が三機南に飛んでゆく
近くの厚木米軍基地で、この機体を管制しているのは・・・
リー・ハーベイ・オズワルド
小柄で浅黒くて精悍な空軍兵士
後に・・・J・F・ケネディを暗殺したとされる男…
ボクは、この青年に会ったことがある。
そして、30数年後の今・・・
オズワルドの娘であるマリーと会っている。
パソコンに向かうボクの手が言葉を次々と紡いでいる
ボクは小説を書いている
「Dallas」
ボクとケネディ暗殺犯とその娘の人生の結びの糸が絡む物語
その時、ボクの背後で声がする
「原爆持って、世界の民衆を脅かしていた悪い政治家が死んだので、うれしくなって、
おこわを蒸かし近所の人たちに配って歩いたよ』
その人は、作家の深沢七郎だった。
なぜか、ギターを抱えているからすぐに分かった。
悲劇の若き大統領にしてアメリカ民主主義のヒーローをめった切り
さすがボクの大好きな澁澤龍彦も絶賛する快楽主義作家だ。
だが待ってよ…
これじゃボクの小説のコンセプトとは、全く違う方向だよ。
振り返って探しても、深沢七郎はいなかった。
(すでに数年前に一稿を書き終わって、ほったらかしの小説原稿を、そろそろ推敲するかなと思っていたら、この夢だ…。こりゃ書きなさいというお告げだな。深沢七郎の?
ケネディの? オズワルドの? 誰でもいいや(笑))