楽屋からステージに続く階段の壁に無数のサイン
ここに出演したジャズミュージシャンたちのサインだ。
古びた劇場の客席には酒とドラッグと汗の匂いが漂っている
アポロシアター
ニューヨーク・マンハッタン・ハーレム125番地
ちょうどご機嫌なことに聞こえてくるのは「Take The A Train」
デューク・エリントン
ボクは指を鳴らしながらハーレムの街を歩く
ビルの陰から黒い男たちが誘う
「いいものあるぜ!」
大丈夫、ボクはすでにドラッグレスハイだから…
いかがわしいレストランの 二階の窓から赤い女が誘う
「ねぇ楽しいことしない?」
答えはNOだ、ボクはすでに充分楽しい
エロスに満たされ、陶酔の真っただ中さ
ボクはハーレムの街中をステップしながら想う
誰にでも幻想の世界がある
さびしい時も悲し時も嬉しい時さえも…
空想や想像の力を出して、幻想の世界を彷徨い歩く
人間が最も人間らしい刹那だ
機械文明の重圧に押され、その奴隷になっているボクたちは、
自分に幻想の世界観があることを忘れている。
これじゃ、少なくともクリエーター失格だ。
人間の喪失だ。
エロスの幻想こそ、純粋に精神的なオートマチズムであり、理性の抑圧をぬぐい去った
思想なのだから・・・
精神論や道徳感を取り払って、言葉を紡ぐのが作家ではないのだろうかと・・・
(シュールは画家だけに与えられた思想ではない。文筆家にもある。
十把一絡げの道徳の鎖をぶち切って、背徳の戦いに挑むことこそがアーティストの美学ではないかな。残る人生はこの楽しい戦いに明け暮れよっと(笑))