何処だかは分からないが、街並みを見つめている
突然、彼方のビル群が大爆発した
まるで中国の化学工場の炎上のように…
巨大な黒煙の中に真っ赤な炎が立ち上る
それが渦巻きとなって動き始めた
すごい!
おもしろい!
たのしそう!
と、一瞬ボクの好奇心が騒いだ
ボクは台風とか火事の現場を見るのが好きな野次馬人間なのだ
しかし、その巨大な竜巻と化した悪魔は、あろうことかこっちに向かって進んで来た
ボクは近くの建物に逃げ込んだ
そこには数十名の避難者がいた
その時、ボクは愕然とした
その建物は華奢な木造だった
こりゃやばい
もう他の建物を探す時間的余裕なんかない
突然、轟音と共に建物が動き出した
凄い勢いで動いている
しかも、ボクの場所は建物の先端付近…
何かに激突すれば、まずボクが潰れるに違いない
死ぬんだな
これが死と言うものか
ボクは板きれをつかんで考えた
よし、死の瞬間を見つめて見よう
死がどんなふうにやってくるのか
耳を澄ませて見つめてみよう
ボクはスマホを取り出し、カメラアプリモードにした
なんだか、ジェットコースターに乗っているような楽しい気分になった
(残念ながら、この後の記憶がない。夢の先を覚えてないのだ。記憶にないくらいだから、死なんて、たいして面白くないのかもしれないな。でも、夢の中の死は、本当の死なのだろうか?いつかは経験してみたいな(笑))