この街は、いつか来た街
父と母に手をひかれ、スキップで歩いた街…ではない
街のたたずまいも、匂いも色も同じだけれど…違う
人がみな人間らしく生きていない街
死んでしまいたい人々の街
人がみな自分に嘘をついている街
怒りを表現できない人々の街
人がみな権力に従順な街
欲望にまみれた人々の街
説明のつかない違和感や倦怠感のあふれる街なのだ
人工の明かりの金属的なオアシス
ショーウインドゥに移す白い能面
凍てついた微笑み
偽りの希望は泥にまみれて
嘘を集めた川が、この街を流れている
(なぜ日本中の街がみな、同じように見えるのだろう?
なぜ人がみな、この街に集まってしまうのだろう?
なぜ人がみな、同じに見えてしまうのだろう?
この街ではなくても、あの街やその街だってあるのにね…)