小さく光る黒い小石ばかりの河原に辿り着いた
黒い小石は、ボクが子供の頃、海で集めた宝物だった
ホゥっと息を吹きかけると、ビッシリと濡れる
黒い小石のあぶら石…
それが無数にある河原に、あの少女がいた
ボクの前に、しばしば現れる少女…
頬に涙の形のアザがある少女だ
いつも泣いているような憂い顔をしてる
社会から突き飛ばされ、もがいている少女
ここではない、あそこでもない何処かに、行きたい少女…
日常の中で、非日常を探し求めている少女…
彼女の可愛い口が動き出した
少しかすれた甘い声が漏れる
「秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があって、
それに陽は、さらさらと、
さらさらと射しているのでありました」
中原中也 ひとつのメルヘン
ボクの大好きな中也の詩を、なぜ少女が…
シリアスに考え始めたら日常に戻っちゃった
(日本の少女たちが、この社会から疎外感を受け、放り飛ばされて、
もがき苦しんでいるケースが多いとネットニュースでしばしば目にする。
一見、楽しそうな女性たちの日常は、仮面の舞踏会なのかも知れないね。)