河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

そこは、悲しみ女の吹き溜まり…

 上弦の月の蒼白い燭光に照らされた庭園の植草に

オリオン座流星群の無数の閃光が突き刺さる

その度に、奥の林間に浮き上がる人の姿…

闇夜に鴉の鳴き声

「やばい」

なんて言いながら嫁に行ったはずの、その女は

母の形見の料理本をそっと鞄に詰め込んでいる

 

「やばいよー」

と、はしゃいで彼に甘えていた、あの女は

気の強さを見せつけるような顔を作っている

 

「やばいやばい…」

今が幸せすぎて、幸せすぎるからこそ、この女は

この先の不幸せを想像して泣き叫んでいる

 

ここは、悲しみ女の吹き溜まり…

女はいつも、幸せとは限らない

女の一生は、いつも不安や不幸との背中合わせ

この庭園に佇む不幸な女たちの姿を

画家ならどう描く

監督ならどう映す

見えるものを、いくら精密に描いても駄作

ボクならどうする

どう文字にする

ボクなら、その被写体を心で受け留めるだろう

目は、創作のたいした役にはたたない

心で受け留め、その女性と恋をする

恋をするからこそ、他所者には見えないものが見える

さて、今夜の悲しみ女は誰にしようかな…

と、闇に目を凝らしたが、そこには誰も居やしない…

(ボクの心の中には「不埒な」生きものが住んでいる。不埒なこいつは悲しみ女に

恋をする癖がある。人にはあまり見せたくはないが、ボクはこの不埒なもう一人の自分が大好きなんだ。もっとも夢の中にしか出ては来ないのだけれどね(笑))