日本人の心がお互いにギクシャクしてきたのは、いつのことだろう?
そんなに遠い歴史の彼方ではないはずだ
ついこの間のような気がする
そうだ、ついこの間だ
ついこの間…っていつだ?
このいい加減な過去の時間の言い方を止めた時からだ
欧米のメートル法を取り入れた頃から日本人の精神が揺らいできたのだ
何を表すにも数字できっちりと…
これは日本人には合っていないのじゃないかな
少なくてもボクにはメートル法が合わない
三日前は…ちょっと前で良いし
ほんの少しで…その分量が分かりあえる
お湯加減とか塩梅とか…
いい加減な言い方の方が心がある
お互いの気持ちを想像し合える心の豊かさもある
おもてなし…だってメートル法では表記できない日本人の感性だ
メートル法とは目に見える世界観
物質的な価値観であって、心の価値観ではない
世の中の本当に大切なことは目には見えないものだ
サンテグジュペリだって星の王子様にそう言わせている
ボクは目に見えない世界を信じる
目には見えない相手の心を信じる
いい加減で良い
いい加減は…好い加減と書くのが正解だ
(今度いつ会える?次はいつ会える?…こんな日常会話でもボクたちは、今度と次の長さをなんとなく理解している。この好い加減な感性こそが素晴らしい伝統文化を創り上げて来た礎だ。メートル法の設計図に頼っちゃだめだよ