河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

ボクの思想は、神秘的半獣主義だな

沖合から見ると、半島を飾る紅葉もすでに赤黒く縮んでいる

洋上で釣りをしている

醸し釣りで青モノを狙っているが、この魚信はなんだかおかしい

5ヒロの針素を手にすると、かなり下へ下へと引き込む

これは鯛特有の引きだ

やがてタモ網で掬った魚は、4キロはある精悍な顔をした黒鯛だ

ボクは野締めにしようと、そいつの急所にナイフを向けた

その時だ

そいつはボクを凝視しながら呟いた

「神秘的半獣主義!」

ボクはそいつを海に放り投げた

ボクの前に、神秘的半獣主義という言葉だけが残った

神秘的半獣主義か…

明治文学の自然主義作家の中の異端児的思想だけれど、面白い

昨今の、流行小説ばかりの文学界では作家に思想など感じないが

確かにこの神秘的半獣主義は、ボクに合っているかも知れないな

田山花袋のように、心の深いつながりばかりを追っても、この時代には合わないし

ボクは、静まり返った海面を見つめながら、書くべき言葉を探している

(昨夜、ナイトキャップに田山花袋の「蒲団」を乱読した。男女の繋がりは魂の深い所まで立ち入らなければ…真の愛はないとか…確かに生ぬるい。嫌われ者の岩野泡鳴が言いだした神秘的半獣主義…なんだかいいね。)