いつ身体を張るかと言うのは、他人に教えてもらうことじゃない。
自分で考える問題だ
ひとつだけ言えることは「義」を忘れるな
「義」に背くようなことはするな
横を向いたまま、その男はボクに呟いた
男は散るべき時に散らにゃいかん
逃げたら後で苦しむ
この台詞は…
やくざ映画で聞いたのか
博徒の書物で読んだのか
ボクが人間の弱さを感じた時に
必ず何度か耳に届く声だ
ボクには闘いを好む本能がある
未だに格闘技を続けているのは、その為だ
戦争映画を見るのが好きだ
ジャンケンだって負けたくない
買い物しても、店に負けさせる
これだって勝負ごとなのだ
ボクだけではない
人間には、誰にだって闘いを好む本能がある
平和だ、和平だとどう取り繕っても
すべての歴史が証明している
宗教者も世界中で壮絶な戦いを繰り返している
平和を説くのは、たやすい
どんな言葉でもいいのだから
でも、人間の残酷な本能を覆させる言葉は難しい
そこから逃げないで、苦渋の説得をするのが大人のすることだ
人間の本質を隠してはいけない
(まもなく終わる今年は、戦後70年だった。では、来年は71年…
いや、ボクはそう思わない。来年は戦前元年だろう。今の世界情勢は、間違いなく戦前だ。人間の本能を忘れちゃだめだ。)