河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

女と男とキャンドルライト

淡い夕焼けの終章のように

キャンドルの灯りが瞬いている

それを見つめて想う

キャンドルは儚い愛の象徴…

一陣の風で消滅してしまうもの

だから、いとおしい

人々はキャンドルを憂いの瞳で見つめる

街道筋の街かどのバスストップに女と男

時折、風が舞い上がり木の葉がワルツを踊る

女はくすんだ赤いネッカチーフで乱れた髪を隠し

スーツケースを下げている

多分、この街に疲れた娼婦が別の町へ行くのだろう

吸いかけのタバコを、高すぎるパンプスでもみ消した

 

その男は、疲れ切っていた

人と人との関係に

頭の中まで濁り切っているようだ

まるで、暗夜行路の時任謙作のように

彼は、唾をひとつ道端に吐き捨てた

身体の中のやっかいなことと一緒に

今、知らない二人が知らない相手を想い

心の中にキャンドルを灯している

そのキャンドルは、すぐに燃え尽きるだろう

その前に、それぞれの二人は

次のキャンドルを準備している

それだけじゃない

3つ目の、4つ目の、5つ目のキャンドルを持っている

前のが燃え尽きる前に、後後と次いでいくのだ

愛し方は変化しても、互いに愛し合う気持ちは変わらない

キャンドルは替わっても、

淡い夕焼けのようなともし火は常灯明の如く続く

バスが来た

女は乗った

男は踵を返して歩き去っていった

(寝る前に物語を書いていた。寝ても書いていた(笑)。なんだか志賀直哉の暗夜行路がちらちら見えるね。そう、蝋燭の灯りのように。

超短編の映像にしたら面白いかな。音楽はどうしよう♬)