誰が言ったのだろう
「人生のすべては、ただ一瞬のつながり…」
様々な言葉が頭の中を鳴動している
「今は自分には、幸福も不幸もありません」
太宰治の人間失格だ
「木曽路はすべて、山の中である」
島崎藤村の夜明け前だ
「月は晴れても心ァ闇だ。お蔦 あの月を見な…」
泉鏡花の婦系図だ
心の傷を繕うのは、時、日の流れなのだけれど
その時や日は永遠もあれば、一瞬もある
それは感性の違いかも知れないな
そんな時、ボクは人混みから離れる事にしている
心にかすり傷がある時でも、人間(じんかん)は生きた心地がしないのだ
人間を離れ、海辺のテラスでソーダを片手に
陽光の中を切り裂く曳航を見つめ
午後の微睡みに溶け込む
この一瞬が、ボクを癒す
サウナの後の水風呂のように爽快になれる
そして・・想う
男心に男が惚れる
そんな男になりたいものだ
世間の憂さを見て見ぬ振りで
通りすぎちゃ男が廃る
「大きな仕事の時は肝を括れ」
なぜだか、この言葉が心中を鳴動し始めた
(どこかの親分が言っていた。闘いの極意は相討ちの覚悟。
その位の肝の括りがあれば、怖いものなどない。午後のまどろみの中で
そんなこと考えている。それが男って奴なんだよね(笑))