浅き夢みし かわたれの頃
蒼き北極星の ゆらぎにも似て
冷気まといし風花が
天空に舞い散る音波を聞く
純白に尚 白を重ねた朝もやの中を
寒雀が群れて 一気に飛び散るさま
大輪の尺玉開花の如し
孤高の狼が 小高き丘に屹立し
気高い悲しみの嗚咽を漏らす
白昼夢に我が魂は 森をよぎり
煌煌たる暗黒に留まれり
深淵の沼 長い眠りから眼を覚まし
咬みつくばかりの荒れた水面に
遠慮がちな白牙の波頭立つ
彼方より 遠く春雷の響きが木霊すと
寒月残照の一片の 美しさもあとわずかなり
こぞの木枯らしの果ては
我が熱き魂に とけこんでゆくなり
(春の気温に身体が温まり、寝苦しい夜半、白昼夢のような朧な覚醒の中で、文語体の言葉が湧き上がって来た。それを書きとめて見たのがこれなり(笑))