放埒の悲しみ
しどけなき恐怖
春先の長閑な光もささず
ボクを罵り笑う地の底の声
妄想の胸元に火薬を詰め込み
大海原に向かって炸裂させる
ジェイムズ・ジョイスのユリシーズの如く
模倣されない凛とした文体のように
心たじろがず、屹然とそびえ立とう
恐ろしき静寂の中で
人それぞれに隠された涙がある
人は夢に身を焼きながら生きている
深い真実と感動が落ちている道
誰よりも理想を追っていた男は
誰よりも現実を知っていた
見えない力を、押し返そうと
力み悶えていた青春
七重八重 散り残る川辺の山吹
春まだ浅く・・・
(春は野原の草花が一斉に息づくように、人の妄想も活発にうごめく。そんな季節の変わり目の刹那を楽しむのもいいよね)