河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

風雲児がいないなぁ

ジャック
アメリカでは逞しく強い男をこう呼ぶ
ジャッキーはその愛称だ
ワンスアポナタイム
ジャッキーと呼ばれた好漢がいた
北国でボクシングGYMを経営していた
男心に男が惚れるような男前だった
ワンスアポナタイム
ジャッキーは渡世人だった
いつもこんなことを言っていた
『俺は後ろから撃たれたくない。正面から敵と闘い、一太刀でも入れて死ぬのが本望』
ボクは昔気質の残る渡世人の、唸りたくなるような、こんな台詞に弱いんだ
近頃、矢鱈目ったら足元ばかりを狙う輩のご時世には、ジャッキーの台詞が輝く
親の血をひく兄弟よりも
固い契りの義兄弟
仁義ある世代にボクは弱いんだ
ジャッキーは背中に墨を入れていた
それは鮮やかな浮世絵の刺青
二頭の龍神の囲みの中で
男と女が交合しているのだ
何ともシュールなエロスの薫り
背中に魔除けの刺青は、後ろから撃たれないお守りだった
百年以上も脈々と繋がる渡世人の刺青は
日本の伝統文化だ
そのジャッキーが突然渡世から足を洗って
ボクシングGYMの会長になった
北の国で多くの青少年を育成した
彼こそが将に風雲児だった
そんな男が近頃見当たらない
寂しい世の中になったものだ

(男心に男が惚れるような男前。荒れた世の中を駆け巡るような男前。そんな男どもは何処へ行ったのだろう。風雲児がいないなぁ)