おじさんたちの大集団が駅前にいる。
なんだか、総決起集会のようだ。
ステージ上に、様々なおじさんたちが登場してアジテーションしている。
「負けた人間にしか分からないことの方が、人間にとって大切だ」
「権力の富は、多くの人々の犠牲のもとにあるのだ」
「日々の暮らしの中で滞った心の垢をとろう」
「世間の疑心は、言葉を持ってして分からすものではない」
「世間と言う波の背中にみんなで乗ろうではないか」
うーん、なんだか昔の労働組合のようでネガティブだなぁ。
総論ばかりで核論がない。
被害者意識が強すぎるよ。
この超高齢社会では、おじさんたちこそ主役を張らなければならない。
少数派の若者に託すのは、まだまだ早すぎる。
そのためには、まずおじさんたちがポジティブ・シンクしなければ・・・
ボクはステージに登って、演説をする。
禿げと皺は夢の数・・・
加齢臭こそ蜜の味・・・
世間をころがれローリングストーン・・・
何でもありのおじさんワールド・・・
矛盾はおつまみ、無理は酒・・・
期待されるな、求めるな・・・
◎×よりも△を・・・
付き合いは、常に微妙な距離感を・・・
ふと、気がつくと・・・
駅前には誰もいなくなっていた。
(この地盤沈下・沈殿した時代を傍観するのではなく、もっとも人口構成の多いおじさんたちがリアクションしなければ・・・みんな多分、そう思っているのに左右の顔色ばかり見てる、リーダーなき時代の様よ。)