アニエス・ベーのホワイトシャツにUSA独立宣言書が尻のポケットに刺繍されたジーンズ。
かなりお気に入りのファッションで、テレビ番組の企画会議である。
会議室にはソファーのセットが3組くらいあり、15人ほどの関係スタッフ、出演者が居る。
まずプロデューサーのボクが、企画の概要を説明する事になった。
SNSとのクロスメディアな生活情報番組である。
二番煎じの企画が大嫌いなボクは、これぞこの時代を創り上げる企画であると力説している。
すると、ボクの近くのスタッフは真剣に聞いているが、一番離れたソファーに座っている出演者の武田鉄也と、APの小夏エリたちが勝手な雑談をしているのだ。
ボクの最も嫌いなパターンなので、このような状況での定番である、身内スタッフの小夏を叱りつけた。
「うるせー!、静かにしろ!やなら出てけー!」
すると、こともあろうに小夏は・・・
「はいはい、わかりました」
と、会議室から出て行ってしまった。
最近は、ボクの、あまり理由のない短気も、すごく大人しくなったと思っていたが、またやってしまった。
会議室が「シーン」と静まり返っている。
その時である。
ボクの心に、ある言葉が浮かんだのである。
「ナチョ・メンドサ」
ボクは夢の中で、驚いた。
この言葉だ!これだ!
忘れないうちに、起きてメモをとらなきゃ・・・
とらなきゃ、とらなきゃ、そして覚醒した。
(ナチョ・メンドサ・・・実はこの言葉、ボクが小学生の時に創った、呪文です。
困った時、辛い時、痛い時、切羽詰まった時、ナチョ・メンドサとつぶやいていたんです。なんとそれが、60年振りに夢の中から、黄泉帰って来たんです!夢は凄い!)