河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

卯の花の匂う垣根に・・ボクたちの夏が来た!

ウイスキーをシングルで喉に流してから、バタートーストに塩を振ってかぶりついた。

美味い。

これがボクたち「湘南エドワーズ」の朝飯だ。

せいちゃん、おけ、よこ…いつもの仲間たちがいる。

いつもの鵠沼の海、東急レストハウス前が、ボクたち「湘南エドワーズ」のショバなのだ。

ボクたちは毎日ここで、たむろしている小学校からの遊び友達だ。

それは、学校が変わってそれぞれが高校生になってからも、こうして続いている。

左手の小田急ビーチパレスの前には、ライバルチーム「鵠沼シャークス」の連中がいる。

奴らは宿敵だ。

シャークスは軟派。

エドワーズは硬派。

両チームは、波乗りの腕前を競いあうライバルなのだ。

今朝は南風に波頭がつぶされて、乗れる波が出来ていない。

「けっ、あくでしようのねぇ波だへ!」

せいちゃんが、いつものように砂浜に唾を吐きだしながら言った。

「まだ、スケもいねーし」

「マージャンでもすっか」

ボクたち4人は、煙草をくわえ、砂浜で麻雀卓を囲んだ。

向こうの「鵠沼シャークス」の連中は、可愛い女の子も入れて、ラグビーをやっている。

その時だった。

規則正しい、波音が一瞬消えたかと思うと、凄い高潮が一気に押し寄せて来た。

ボクは荒れ狂う波に押し倒され、流され、海中を転げまわって翻弄された。

海の中で、どっちが上だか下だかわからない。

鼻の中に海水が入って、こめかみが痛い。

こんな時は、暴れずにじっとしていると、身体は自然に海面に浮上できる。

それは子供の頃からの、海の生活の中で分かっている。

ぽっかり海面に出ると、せいちゃんも、おけも、よこもいた。

みんな、さすがだ。

しっかり波乗り板を持っている。

「さぁ、いくべー!」

ボクは皆に声をかけて、次のでかい波を待ち受ける。

楽しい。

すげー楽しい。

おい、まさか・・・

そんなこと考えたら、目が覚めた。

(本当に夢は最高だ。これは55年前のボクだ。今、鵠沼の海に東急レストハウスも小田急ビーチパレスもないけれど、当時はあった。まだ、日本にサーフボードが一枚もない時代だ。ボクたちは板を削って、自分の波乗り板を作っていた。洗濯板で代用する奴もいたっけ(笑))