河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

せつなきもの・・・親しき人のアドレスを消去。

なぜだか、ガラパゴス携帯を見つめている。

アドレス帳をスクロールする。

重たい空気が、心を圧迫して来る。

時々、フッとボクの命令ではなく、ボクの指が勝手に留まる。

それは突然、逝ってしまった親しい人の名前・・・

その人との・・・楽しかった日々が浮かび上がる。

ゴルフで笑い転げたり・・・

大海原で魚釣りをしたり・・・

劇場で音楽ショーを開催したり・・・

テレビの番組を制作したり・・・

ボランティアで雑誌を創ったり・・

旅に出かけたり・・・

兄のように慕ったり・・・

弟分のように可愛がったり・・・

それぞれの映像が、まだ昨日のようにフラッシュバックする。

でも・・・

すでに鬼籍に入られた人々の、アドレスを消去しなければ・・・

その前に、その人々のアドレスに発信してみた。

現実を再確認したかったのだ。

胸が嵐のように荒々しく鼓動する。

「この電話は、現在使われておりません」

「・・・・・・・・・・」

「お客様のご都合により、通話ができなくなっております」

この言葉はせつないなぁ・・・

お客様のご都合・・・

確かにそうなんだけれど・・・

ひとりくらい、電話に出てくれないだろうか・・・

そんな期待も虚しかった。

そして、最後にボクの眼に留まった名前があった。

カワムラシゲル

ボクは震える指で、発信ボタンを押した。

(起床して、すぐにスマホのアドレス帳を見た。夢で見つけたお名前は全て残っていた。確かに消去しなければ・・・とも思うが。消去することで、その方々の魂まで消えてしまいそうで怖い。そのままでいいや。)