神様から手紙が来た。
杜を歩いていると、木漏れ陽の中からゆらゆらと落ちて来た。
そっと拾い上げて、封を開く。
真っ白な便せん・・・
何も書かれてはいなかった。
純白の便せんを見つめる。
字は書いてないけれど、ボクには読めた。
ボクの心が読んだ。
「今、想うことを全てやってみればいい」
ボクは、毎朝目覚めると、今日も生を与えていただいた感謝の念を捧げる。
それは、ボクをこの世に黄泉還えらせてくれた母と父に・・・
そして、天空・地上すべての神々に・・・
ボクは今、幾つかのプロジェクトを同時進行させている。
それぞれが、ボクには意味のあるものだ。
時々、ふと不安になる。
誰にも言わないが・・・
「ボクに出来るのか?」
「やる意味があるのか?」
こんなこと、神様に頼みはしないが、神様が気を利かせて返事をくれたのだ。
「今、想うことを全てやってみればいい」
ボクは、杜の中の沢山の精霊たちに叫んだ。
「ありがとうございます!」
(大リーグで打撃の神様と呼ばれた、テッド・ウイリアムスも言っている。
「神様は手紙に返事を書かないものさ」・・・同感だ。
神様に頼みごとをしても、返事はくれない。でも、そっと見つめていてくれる・・・
それだけでいい。それがいい。)