巨大な壁画の前に居る・・・
イタリアのヴィンチ村のレオナルドが「最後の晩餐」を描いている。
それを眺めていて、ふと想う。
人は別れに際してなぜ、食事をするのだろう・・・
死者との別れの儀式、離婚、卒業、旅立ち・・・
人間は、なぜ最後に飯を食うのだろう?
こんなことは、他の動物にはない。
動物のドキュメンタリーで見たことがないもの・・・
大体において、家族や仲間が集まって仲良く食事をするのは人類だけだ。
他の動物は皆、てんでんばらばらに食っている。
むしろ争って食っている動物が多い。
人間は武器を手に入れ、天敵がいないから、こんな習慣が出来たのだろう。
いつでも安全だし、自分が食われる恐怖もない。
だから家族や仲間と食事を楽しむ事を覚えたのだ。
食べることを楽しむのは、人間だけなんだ。
だからと言って・・・
最後の別れになぜ、飯を食うのだろうか・・・
多分、様々な悲しみや辛さを話題にしない為に・・・
心の間に食物と言うクッションが必要なんだな。
人間の微妙な触覚なんだろう・・・
これが、人間関係を保つケミカルボンドなんだと思う。
やっと、ヴィンチ村のレオナルドさんの創作モチーフが分かったよ。
(しかし、「最後の晩餐」が巨大な壁画で現れたのには、驚いた。でも、なぜか得した感もあるな。「飯でも食おうか?」は悪い言葉ではないけれど、先進国だけに通用する言葉でもある。今日の食事がない途上国の人々も沢山いる現実もあるから・・)