月光を浴びて、ボブヘアーの美しいピアニストの演奏・・・
ピアチューレなアンダンテが、突如アレグロに変わった。
ピアニストはヘアーを振り乱し、恍惚のまなざし・・・
それまでの微風までが疾風と化し、ピアニストのドレスを剥ぎ取ってしまう。
彼女の柔らかな指先に、弄ばれたピアノが突然・・・
ピアニストを抱きしめた。
ピアノに抱きしめられた彼女のエロスな肢体は、月下のシルエット・・・
美しい。
まるで、シュールな画家、アンドレ・マッソンの「ピアノと女」
ボクは羨ましくて仕方がない。
音楽や絵画は、素直な人間のエロスを表現し易い。
ボクの生業の文筆は、そこが難解だ。
無限の表現力、言葉を持たなければ、とてもエロスを書ききれない。
殆どの作家がそうであるように、三文エロ小説になってしまう。
渡辺淳一だって、谷崎潤一郎だって、脱却できていない。
ボクは、自分のエロスを自由奔放に書いてみたい・・・
シュールな画家たちのような幻想の世界で遊んでみたい・・・
それが、ボクの探し求めていたライフワークにしたい・・・
それには・・・
そろそろ・・・
ボクの身の周りを・・・
自由奔放な幻想・快楽の世界にしなくちゃ・・・
・・・それは、まだ無理だ。
(夢の中で、幻想の世界を彷徨い、問題提起をしながら、自分で答えを出してしまった。ボクには他にまだまだ、やりたいことが多すぎる。エロスの世界に筆で遊ぶのは、もう少し後にしよう。)