河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

俺の盆哀歌・・・彼岸へ渡った友へ・・・

ここは洞窟の中だろう。

ロウソクの灯りに照らされた岩肌に想い出がある。

岩の窪み、滴る水滴の響、匂い・・・

江の島の弁天様の洞窟だ。

洞窟の奥には、彼岸へ渡る三途の川の波止場がある。

松明が夜空を焦がしている。

今年も、ここで何人かの友を送った。

ボンボヤージュ

束の間の出会いだったけれど、ありがとう。

ボクの為に、自分の時間と言う命を削ってくれて、ありがとう。

ボンボヤージュ

あれっ、渡し船の上にマリオがいる。

お前は彼岸へいってるんじゃないのか?

「船賃の六文銭で、酒飲んじゃって、渡してくれねえからさ、今、船の船頭のバイト中」

マリオはいつもの、悪戯っぽい笑顔を作った。

まだ、借金取りにいじめられているなんて、マリオらしくていい。

「まぁ、俺がその船に乗るまでに、借金返しておけよ。マリオ」

そんな、間にも彼岸へ渡る人々がやってくる。

どの顔もみな、楽しそうだ。

あれっ、シュウさんがいる。

「シュウさん、まだ彼岸へ渡っていなかったの?」

「ええ、ちょっと、今年のリレーフォーライフの準備が忙しくて・・・」

シュウさんは、いつもの上目使いの笑顔で、船に乗り込んでいった。

三途の川の渡し船は、多くの友の笑顔を乗せて、今年の夏も出航していった。

マリオー!

おも舵いっぱーい!

ヨーソロー!

今年も、俺の盆は終わった。

(夏の終わりに素敵な夢だった。あの江の島の洞窟は、ボクが小学生の頃の遊び場で、今よりずっと奥が深かった。今は観光用の洞窟となっているが、昔は、ボクたち地元の子供には神秘的な空間だった。)