指を鳴らして、男がハスキーな声で唄っている。
マック・ザ・ナイフ
三文オペラ
すると、ここはロンドン・・・
いや、違うぞ。
どうみても東京の六本木だ。
色男のギャングであるメッキーも可愛い少女ポリーもいない。
ジャックナイフを握っているのは、ボクだ。
誰かに追われている。
誰に・・・
ポリーの親父さんか・・・
麻布警察か・・・
いや、ボクは何も悪いことはしてないぞ。
このジャックナイフ・・・
これは、確かにボクのものだ。
グリップに赤い毛糸を巻きつけてある。
ボクが大切にしていたジャックナイフ。
どうする・・・
このままでは銃刀法違反になってしまう。
三文オペラはASKAの裁判や安倍さんの内閣改造でいい。
ボクを巻き込むな。
ああ、このマック・ザ・ナイフ
いや、シゲル・ザ・ナイフ
(取りとめのないまま、目が覚めてしまった。夢に出て来たジャックナイフは、ボクの高校時代のもの。当時のちょい悪高校生はみんな持っていた。そして大人になったら砂浜に埋めた。ボクのあのジャックナイフも鵠沼海岸の砂丘に埋まっているはずだ。)