実は・・・
羊は走るのがとても速い。
今も、大草原を72頭の羊が疾走している。
その走り方は、まるで空を翔んでいるが如く軽快だ。
飛翔しているのではなく、跳ねているのだ。
いつの間にか、ボクはその群れの中の一頭の羊になっている。
走りながら周りを見ると、顔見知りの羊ばかりだ。
そして、気がついた。
72頭の羊は、すべてボクだ!
子供の羊・少年の羊・青年の羊・壮年の羊・・・
全てがボクなのだった。
ひつじ年6回目のボクは72歳・・・
いや、72才である。
歳と才では、大いなる径庭がある。
72歳は、単なる年齢の積み重ね・・・
世間では老人扱いされている。
しかし、72才は違う。
72才は、豊かな経験の集積・・・
才とは、ひとつひとつの才能であり才覚・・・
能力であり資質なのだ。
つまり72才は、長けた才、天賦の才が72個も持てたということだ。
凄いぞ!
ボクは、滅多な奴らに負けるわけがないのだ。
ボクは72頭のボクと大草原を疾走しながら、今年やりたいことを楽しく想像している。
なんだか身体中にポテンシャルエネルギーが充満してきた。
(いつでもポジティブ思考のボクは、年齢を「才」と書く。年齢の積み重ねはネガティブではなく、ポジティブなことなのだ。
若い方が良いは、化粧品やアパレルメーカーの宣伝文句に過ぎない。
生きると言うことは、その長さにこそアドバンテージがあるのだ。だからこそ命は最も大切なものなのだ。)